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日 時 |
理詰めで行ってみよ
「いくつの時の話?
だいたいなんで一人で映画館なんかに座っていたの?
それ逃げられたからよかったけど逃げるべき相手なら手をつなぐ前に逃げるべきでしょう?」
養子は感情を苛立たせながら次々と質問をぶつけた。
「そう立て続けにガンガン質問されるとこっちの言いたい話もできないからちょっと待ってください。
この道どっち行きますか。
西に?
それとも北に?」
土手に突き当たった三叉路にきてチャアが言った。
養子はあわててきょろきょろと見回して
「えーとね、ここ間違えるとたいへんなのよ。...
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2009/11/20 08:51 |
熊笹の道
「道分ってる?」
京都縦貫道に乗って養子は車の中の道路地図を広げて言った。
「この道又9号線に降りるんですよね」
「国道9号線の山陰道は京都から日本海側に出て兵庫鳥取島根山口と西の海道を走っているの。
この高速の縦貫道は昔は、途中で切れてたんだけどどんどん新しく伸びていて、次の須知で降りなきゃ、このまま行くと綾部とか舞鶴、天橋立とか若狭の方にまで行けてしまうのよん」
「それでついでに北陸道に出て東に走って東京に帰りますか?」
「駄目だよ、せっかく西域に向かうって覚悟決めたんだから」
...
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2009/11/18 05:56 |
ご開帳
その頃、吉田養子とチャアは京都から西域の中国地方を車で巡って旅してみようと計画を立てていた。
養子は免許はあるものの、もう20年も乗っていないペーパードライバーで、運転はほとんどあてにできなかった。
本人は半分は任せてとやる気満々なので、ちょっとやってみようと京都市内を1キロ程走ったのだがその運転は想像を超えるとんでもない物だった。
それはうまいとか下手とかいう以前の次元の問題で、本人は前に行くつもりで動きだしたら車が後ろに動いていたり、本人は指示器を出したつもりがフロントガラスのウオッシ...
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2009/11/15 08:04 |
白井くるまの事情
ちょっと取り込んでいる事がありまして出頭できないでごめんなさい(笑)
もう2〜3日したら続きを始められるかと思いますので、懲りずにアクセスしてみてください。
結構大変ですけど結構楽しくなるんじゃないかと思います。
乞うご期待。
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2009/11/13 07:01 |
ネズミの婿取り
とにかく事はもう始まってしまっているのだ。
明治維新は徳川の封建制度を諸悪の根源として庶民の頭上の壁を破壊する事からはじまった。
京都の町や日本のあちこちが血に染まって、若者が決起して、騒乱が手をつけられなくなったから、徳川は、「攘夷する代わりに新たに尊王思想を国民に学問させるべきだ」と考えて、勝海舟と和宮が江戸城を無血開城したのだった。
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2009/10/13 11:46 |
運転手は君だ@車掌は僕だ
レースのカーテンのかかった廊下の奥は、畳の座敷になっていて、村下冬は台所の方から皆に飲み物を運んでいる所だった。
中央のコタツのマージャン台を三人の男と一人の娘が囲んでゲームをしていてその娘がかぐやだった。
かぐやの横にピッタリ寄り添って後ろから一人の男がかぐやにゲームを教えているようであった。
かぐやが何か失敗をして、どっと男たちが笑う。
かぐやは一回ごとに振り返っては男に親しそうな笑みを浮かべてやり方を聞いている。
あの男が彼氏かもしれない。
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2009/10/12 22:45 |
***−**:::+++?
無喜子はだいだいに教えられたメールアドレスを打ち込んで送信のボタンをクリックした。
画面は『送信できませんでした』と返ってきた。
おかしいなと思ってもう一度アドレスを打ち直してやってみたが、何度やってもうまく行かない。
さてどうしようかと思案している所に電話がなった。
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2009/10/11 04:09 |
とにかく読んでもらわなきゃ
テトラポットと遊歩道
ある時ある場所でテトラポットと遊歩道がばったり出会いました。
美しい日本の海岸です。
テトラポットはこの日本の海岸を守るためにと莫大な国家予算で作られました。
今ではこのいかついコンクリートブロックがゴロゴロ転がっていない日本の砂浜は珍しいくらいです。
遊歩道は初対面の彼につい思った事を言ってしまいました。
「テトラポットさんテトラポットさんあなたはどうしてそんなに醜いの」
テトラポットは自分で醜い事は気が付いていましたが、何もそんなに人からズケズケ言われると...
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2009/10/10 06:10 |
アリーポッターの試練
とにかく次の作品は私に直接メールで送ってくださいと言って村下冬はようやく電話を切った。
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2009/10/09 04:40 |
魔女鏡
村下冬は時々小さな吐息を漏らしながら何度も何度も無喜子の次の言葉を求めた。
もう昼をとっくに過ぎて、いい加減に何とかしないと又買い物や夕食の支度やと忙しい夕暮れがせまっていた。
無喜子は食卓の椅子に座って体の位置を変えた。
携帯電話の充電もそろそろ切れる頃である。
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2009/10/08 06:24 |
ドッテンカイメイ
無喜子は幼少の頃から胃腸が弱かったけど、心臓や肺は人より優れていると、かかりつけの口の悪い医者も、心肺機能だけは、心配ないと下手な駄洒落で保障してくれていた。
その心肺ないはずの無喜子の心臓と肺がこの時ばかりは激しく動揺していた。
携帯電話を耳に当てる手がねっとりと汗ばんでいた。
この村下冬という男は何か重大な質問をしているようだった。
それは無喜子が人生で心にいつも心に引っかかりはしながら、自分には関係のない事と突っぱねてきた心の奥深い問題だった。
そのくせ時を過ごしている経過で、何...
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2009/10/07 02:46 |
有限の宇宙
「こんなのだったらいくらでも作れるんだけど」
無喜子は赤くなったり青くなったりする恭子の顔を首を傾げて見ながら言った。
村下冬は意外と平然としていて
「とにかく渡り鳥に連載させてもらうように交渉してみましょう」と言った。
「渡り鳥って?」
「文芸雑誌ですよ。
知らないんですか?」
「ごめんなさい知らないんです」
「ジョユリアンさんが出資して作っている会社ですから、彼女さえ通れば何とかなると思います」
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2009/10/06 04:22 |
敗戦の日
和やかに談笑するジャッキーと村下と無喜子の三人を見比べながら岡本が口を開いた。
「昔人類が望遠鏡を持たなかった時代なら・・・・・日や月や星は光か幻か半分半分意見が分かれて共存してそれでよかったかもしれない。
でもガリレオガリレイは望遠鏡を発明して、月や星を目で見て実在していると確信して地球はその宇宙の中で動いていると主張したでしょう?」
岡本はジャッキーを少し睨むように見て、
「今この地球上で天が動いている等と信じる人はどこにもいないのよ。
最初から負けるとわかってる世界になぜ進ま...
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2009/10/05 11:24 |
バナナの皮
「大丈夫だよ、だいだい」
ジャッキーは岡本恭子に親しげな微笑を見せて、彼女を「だいだい」と呼んだ。
「ジョユリアンさんだってきちんと説得すればわかる人だ」
岡本は首を振って、
「あなたは何もわかっていない」
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2009/10/04 06:40 |
あと一歩
あと一歩(タイトル)
宇宙の教え方に「無」を教える事と「有」を教える事があったら、「有」を教える事の方が絶対簡単でラクチンなのです。
人々にとって、「有」を知る事は知識を持つ事でありますから。
逆に「無」を知る事は、持ってる知識を失くしてしまうようでおびえる所があるのかもしれません。
例えば地球の球体の「有」は真空の「無」の空間にポカンと浮かんでると教えられたような場合。
なんで「無」の中に「有」が浮いているんだってすごい不思議に心が捕らわれるでしょう。
それを教えとして身体に持って...
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2009/10/03 09:00 |
浮き玉
岡本恭子はジャッキーが時間をかけて読んでいる無喜子の原稿を横で辛抱強く待っていたが、ついに痺れを切らして、ひったくるように取り上げてすばやく目を通した。
「あはは・・・ははは・・・のあっはっは」
岡本は次の瞬間、店中に響き渡るような大きな笑い声をあげた。
「おもしろーい!!
面白いわ、なんて面白い人なの無喜子さんあなたって・・・]
岡本は興奮して言った。
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2009/10/02 10:53 |
平成のこんにゃく作家
{この宇宙は太陽が地球を回っていようが、地球が太陽を回っていようが、ほとんどの人間達にとって、何の問題でもないのだ。
それは「無」について説いた老子が、後世に仕事を残していてもいなくても誰もどうでもいい事と思っているように。
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2009/10/01 10:08 |
我々は我々ですから我々に。
翌朝子供たちは学校の時間になってもなかなか2階から下りてこない。
「かぐや8時よー」
と階段下から無喜子がいつものように、大声で呼んで、しばらくすると、寝過ごして大慌てで支度をしたらしいかぐやが、どたばたと駆け下りてきた。
ところが階段最後3段くらい踏み外したらしく、最後はドシンと大きな音を立ててお尻から一階のフロアに降り立ったというか降り座った。
「ウワアーいてえ」
「大丈夫?朝ごはんは?」
かぐやはお尻を痛そうにさすりながら、立ち上がって言った。
「いらない。時間ないし、それよ...
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2009/09/30 10:00 |
オフサイド
夕食の後、子供たちが2階の自分の部屋に入ると、夫の名茂星雄は居間でテレビを見ていた。
夫の食事は糖尿病食でカロリーを抑えているから、いつもは早く寝ないとお腹がすいてくると、さっさと寝室に上がるのである。
その後無喜子は食卓にノートパソコンを置いて小説を書こうと思っていた。
それが今日に限って夫がなかなか立ち上がらない。
「まだ寝に行かないの?」
声を掛けると案の定
「お前こそ寝たらどうなんだ」
と返された。
「今夜これから小説書きたい気分なの」
正直に言うと言下に
「止めた方...
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2009/09/29 11:16 |
一緒に暮らそう
長い時間潮入りの池の前に座っていると、やがて今日も太陽の沈む時間が来た。
「帰っちゃうの?」
立ち上がって帰り支度を始めた無喜子にジャッキーは少しすねた声で言った。
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2009/09/28 11:14 |